【登録販売者試験】人体の構造と働き~消化器系②咽頭・食道・胃~【第2章ポイント】
こんにちわ。今日は前回の消化器系①の続きです。
前回の記事はコチラ
今回は、咽頭・食道・胃の話になります。私の場合、胃はテストでも間違えるほどややこしいと感じました。しっかり内容を理解して覚えることをおすすめします。
咽頭(いんとう)・食道
咽頭は、口腔はら食道に通じる食物路と、呼吸器の気道とが交わるところ。
飲食物を飲み込む運動が起きるときには、喉頭の入り口にある弁が反射的に閉じることにより、飲食物が喉頭や気管に流入せずに食道へと送られる。
食道は喉もとから上腹部のみぞおち近くまで続く、直径1~2㎝の管状の器官で、消化液の分泌腺はない。
嚥下された飲食物は、重力によって胃に落ち込むのではなく、食道の運動によって胃に送られる。
食道の上端と下端には括約筋があり、胃の内容物が食道や咽頭に逆流しないように防いでいる。胃液が食道に逆流すると、胸やけが起きる。
※この内容は呼吸器系で再度詳しく説明します。
胃
胃は、上腹部にある中空の臓器で、中身が空の状態では扁平に縮んでおり、食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が弛緩し、容積が拡がる。
※平滑筋とは
消化管では平滑筋は消化物を収縮により運ぶ役割を持つ
胃酸と消化酵素
胃の内壁は粘膜で覆われて多くのひだをなしている。
粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって塩酸(胃酸)のほか、ペプシノーゲン等を分泌している。
ペプシノーゲンは胃酸によって、タンパク質を消化する酵素であるペプシンとなり、胃酸とともに胃液として働く。
タンパク質がペプシンによって半消化された状態をペプトンという。
また胃酸は、胃内を強酸性に保ち、内容物が腐敗や発酵を起こさないようにする役目を果たしている。
胃粘液の働き
胃液による消化作用から胃自体を保護するため、胃の粘膜表皮を覆う細胞から粘液が分泌されている。
胃液分泌と粘液分泌のバランスが崩れると、胃液により胃の内容物が損傷を受けて胃痛等の症状を生じることがある。
また胃粘液に含まれる成分は、小腸におけるビタミンB12の吸収にも重要な役割を果たしている。
胃の内容物
食道から送られてきた内容物は、胃の運動によって胃液と混和され、かゆ状となって小腸に送り出されるまで数時間、胃内に滞留する。
滞留時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的短く、脂質分の多い食品の場合には比較的長くなる。
炭水化物主体の食品例
単純炭水化物:砂糖・果物・ジャム・アルコール
複合炭水化物:米・もち・パン・パスタ・うどん・その他麺類
脂質分の多い食品例
油脂・脂肪の多い肉・乳製品・ナッツなど
②の最後
咽頭はこれから出る喉頭と間違えることか多かったです。咽頭のほうが喉頭よりも奥に位置していると覚えました。胃の内容もなかなか覚えづらいですが、ここで挫折せずゆっくり覚えていきましょう。
【登録販売者試験】人体の構造と働き~消化器系①消化器系・口腔~【第2章ポイント】
こんにちわ。今日は人体の構造と働きの消化器系についてです。
私はこの第2章に苦労しました。昨年のテストの時も、この2章が一番点を取れませんでした。そのようなことも踏まえ、まずは消化器系から覚えていきましょう。
人体の構造を働き
人の体は細胞が集まって構成されている。関連する働きを持つ細胞が集まって組織を作り、複数の組織が組み合わさって一定の形態をもち、特定の働きをする器官が形成される。
器官が互いに連絡して協働し全体として1つの機能を持つ場合、それらを器官系という。
また細胞と細胞の間にはカルシウム化合物、粘液物質、膠原繊維等の物質が存在し、これを細胞間質という。
内臓器官
内臓器官は消化器系、呼吸器系、循環器系、泌尿器系に分かれる。
消化器系
消化器系は飲食物を消化して生命を維持していくため必要な栄養分として吸収し、その残滓を対外に排出する器官系。
消化管
口腔、咽頭、食道、胃、小腸、大腸、肛門
消化腺
唾液腺、肝臓、胆嚢、膵臓
消化管は、口腔から肛門まで続く管で、平均的な成人で全長約9m。
消化器系の全体像
消化には、消火腺から分泌される消化液による科学的消化と、咀嚼や消消管の運動による機械的消化とがある。
口腔
歯
歯は、歯周組織によって上下の顎の骨に固定されている。
※歯周組織(歯肉・歯根膜・歯槽骨・セメント質)
歯槽骨の中に埋没している歯の部分を歯根、歯頸を堺に口腔に露出する部分を歯冠という。
歯冠の表面はエナメル質で覆われ、体で最も固い部分。
エナメル質の下には象牙質と呼ばれる固い骨状の組織があり、神経や血管が通る歯髄を取り囲んでいる。
歯の齲蝕が象牙質に達すると、神経が刺激されて、歯がしみたり痛みを感じるようになる。※齲蝕とはいわゆる「虫歯」
舌
舌の表面には舌乳頭という無数の小さな突起があり、味覚を感知する部位である味蕾が分布している。
舌は味覚を感知するほか、咀嚼された飲食物を撹拌して唾液と混和させる働きがある。
※撹拌とはかき混ぜる、泡立てるなどの意味がある。
唾液腺
唾液腺は、唾液を分泌し、食物を湿潤させてかみ砕きやすくし、また咀嚼物を滑らかにして嚥下を容易にする。
唾液にはデンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(プチアリンまたは唾液アミラーゼ)が含まれ、また味覚の形成にも重要な役割をもつ。唾液はリゾチーム等の殺菌・抗菌物質を含んでおり、口腔粘膜の保護・洗浄・殺菌等の作用もある。
また唾液によって口腔内はpHがほぼ中性に保たれ酸による歯の齲蝕を防ぐ。
リゾチームの作用
リゾチームには細菌の細胞壁を分解する酵素作用のほか、消炎作用などもあり生体防御因子として働く。
唾液以外に鼻汁や涙液にも含まれている。医薬品に含まれるリゾチーム塩酸塩は卵白から精製したものである。
①の終わり
テスト問題に出そうな部分は太字にしています。歯や舌のことは聞きなれない言葉も出てきますが、テストでは良く出るのでチェックしておいてくださいね。
【登録販売者試験】カルシウム・アミノ酸・その他の成分~覚え方~【第3章対策】
こんにちわ。今回はカルシウム・アミノ酸やその他の成分をまとめました。
良く出るポイントは太字にしましたので、ポイントを押さえておきましょう。
カルシウム
カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素であり、筋肉の収縮、血液凝固、神経機能にも関与する。
カルシウム主薬製剤は、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム等が主薬として配合される。
虚弱体質、腺病質における骨歯の発育促進、妊娠・授乳期の骨歯の脆弱予防に用いられる。
※腺病質とは、貧血等になりやすい虚弱・無力体質をいう。
カルシウム摂取上の注意点
カルシウム過剰症としては、高カルシウム血症が知られている。
カルシウムを含む成分としては、胃腸薬等、カルシウムの補給を目的としない医薬品にも配合されており、併用により過剰摂取とならないよう留意される必要がある。
アミノ酸
システイン
髪や爪、肌などに存在するアミノ酸の一種で皮膚におけるメラニンの生成を抑えるとともに、皮膚の新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促す働き、また、肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助け、アセトアルデヒドと直接反応して代謝を促す働きがあるとされる。
システインはシステイン塩酸塩が主薬として配合された製剤は、しみ、そばかす、日焼けなどの色素沈着、全身倦怠、二日酔い、にきび、湿疹、蕁麻疹、かぶれ等の症状の緩和に用いられる。
アミノエチルスルホン酸(タウリン)
筋肉や脳、心臓、目、神経等、体のあらゆる部分に存在し、細胞の機能が正常に働くために重要な物質。
肝臓機能を改善する働きがあるとされ、滋養強壮保健薬等に配合されている。
アスパラギン酸ナトリウム
アスパラギン酸が生体におけるエネルギーの産生効率を高めるとされ、骨格筋と疲労の原因となる乳酸の分解を促す等の働きを機体して用いられる。
その他の成分
へスぺリジン
ビタミン様物質の一つで、ビタミンCの吸収を助ける等の作用がある。
滋養強壮保健薬のほか、風邪薬等にも配合されている。
コンドロイチン硫酸
軟骨組織の主成分で、軟骨成分を形成および修復する働きがあるとされる。
コンドロイチン硫酸ナトリウムとして関節痛、筋肉痛等の改善を促す作用を期待してビタミンB1等お組み合わせて配合されている。
グルクロノラクトン
肝臓の働きを助け、肝血流を促進する働きがある。
全身倦怠感や疲労時の栄養補給を目的として配合されている。
ガンマーオリザノール
米油および米胚芽油から見出された抗酸化作用を示す成分。
ビタミンE等と組み合わせて配合されている。
最後に
少し聞いたことのある成分もあったのではないでしょうか。
タウリンなどはよく栄養ドリンクなどにも含まれていますよね。
下記のテキストにも問題が載っていますので、繰り返し解くことをおすすめします。
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【登録販売者試験】滋養強壮保健薬~ビタミン覚え方~【第3章対策】
こんにちわ。第3章ではビタミン関連の問題も出題されます。
ビタミンは身近なので、覚えやすいかなと思ったら、意外と苦戦しました。。
似たような名前なので覚えにくかったりします。要点をまとめてみました。
ビタミンA
夜間視力の維持、皮膚や粘膜の機能を正常に保つための栄養素。
一日分量は4,000国際単位が上限。
ビタミンA主薬製剤あ、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA油、肝油等が主薬として配合されている。
妊娠三ヶ月前から妊娠三ヶ月までの間にビタミンAを一日10,000国際単位以上を摂取した妊婦は新生児の先天異常割合が上昇したとの報告がある。
ビタミンD
腸管でのカルシウム吸収および尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける。
ビタミンD主薬製剤は、エルゴカル̪シフェロールまたはコレカルシフェロールが主薬として配合されている。
骨歯の発育不足、くる病の予防、また妊娠・授乳期、発育期、老年期のビタミンDの補給に用いられる。
※くる病とは、ビタミンDの代謝障害によって、カルシウムやリンの吸収が進まなくなるために起こる乳幼児の骨格異常
過剰症として、高カルシウム血症、異常石灰化がある。
ビタミンE
体内の脂質を酸化から守り、細胞の活動を助ける。血流を改善。
ビタミンE主薬製剤は、トコフェロール、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロール酢酸エステル等が主薬として配合されている。
抹消血管障害による肩・首筋のコリ、手足のしびれ、冷え、しもやけの症状の緩和、更年期における肩・首筋のコリ、冷え、手足のしびれ、のぼせ、月経不順の症状の緩和、または老年期におけるビタミンEの補給に用いられる。
ホルモンの分泌の調整に関与するとされ、ときに生理が早く来たり、経血量が多くなることがある。
ビタミンB1
炭水化物からのエネルギー産生に不可欠。神経の正常な働きを維持。腸管運動を促進する働きもある。また腸管運動を促進する働きもある。
ビタミンB1主薬製剤は、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、フルスルチアミン塩酸塩、ビスイブチアミン等が主薬として配合されている。
神経痛、筋肉痛、関節痛、手足のしびれ、便秘、眼精疲労、脚気の症状の緩和、また肉体疲労時・妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時におけるビタミンB1の補給に用いられる。
ビタミンB2
脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ。尿が黄色くなることがある。
ビタミンB2の主薬製剤は、リボフラビン酢酸エステル、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン酸エステルナトリウム等が主薬として配合されている。
口角炎、口唇炎、口内炎、舌炎、湿疹、皮膚炎、かぶれ、ただれ、にきび、肌荒れ、赤鼻、目の充血、目のかゆみの症状の緩和、また肉体疲労時・妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時におけるビタミンB2の補給に用いられる。
ビタミンB6
タンパク質の代謝に関与。皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持のために重要な栄養素。
ビタミンB6主薬製剤は、ピリドキシン塩酸塩またはピリドキシサールリン酸エステルが主薬として配合されている。
口角炎、口唇炎、口内炎、舌炎、湿疹、皮膚炎、かぶれ、ただれ、にきび、肌荒れ、手足のしびれの症状の緩和、また妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時におけるビタミンB6の補給に用いられる。
ビタミンB12
赤血球の形成を助け、神経機能を正常に保つために重要な栄養素。
シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン塩酸塩等としてビタミン主薬製剤、貧血薬等に配合されている。
ビタミンC
抗酸化作用。皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素。
メラニンの産生を抑える働きがある。
ビタミンC主薬製剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムまたはアスコルビンまたはアスコルビン酸カルシウムが主薬として配合されている。
最後に
ビタミン関連は似たものがあるので、少し覚えづらいかと思います。
太字にしたキーワードで覚えるのがポイントです。
下記テキストがおすすめです。
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【登録販売者試験】漢方覚え方~眠気を促す編~【第3章】
今回は眠気を促す漢方です。あまり聞きなれないものが多いかもしれませんが、
小児夜泣きなどの問題で出ることもあります。
※柴胡加竜骨牡蛎湯以外、構成生薬としてカンゾウを含みます。
いずれも比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがあります。
名称 | 効果 |
---|---|
酸棗仁湯【サンソウニントウ】 | 体力中等度以下 心身の疲れ・精神不安がある不眠症・神経症 胃腸が弱い人・下痢傾向のある人には不向き 1週間服用して症状が改善しない場合医療機関を受診する |
加味帰脾湯【カミキヒトウ】 | 体力中等度以下 心身が疲れ・血色が悪い・熱感を伴うものの貧血・不眠症 |
抑肝散【ヨクカンサン】 | 体力中等度をめやすとして幅広く用いる 神経のたかぶり・怒りやすい・いらいらなどがある神経症・小児夜泣き 心不全を起こす可能性がある |
抑肝散加陳皮半夏【ヨクカンサンカチンピハンゲ】 | 体力中等度をめやすとして消化器が弱いものに幅広く用いる 神経のたかぶり・怒りやすい・いらいらなどがある神経症・小児夜泣き |
柴胡加竜骨牡蛎湯【サイコカリュウコツボレイトウ】 | 体力中等度以上 精神不安・動機・不眠・更年期神経症 体の虚弱な人・胃腸が弱く下痢しやすい人は不向き 構成生薬としてダイオウを含む まれに肝機能障害・間質性肺炎を生じる |
桂枝加竜骨牡蛎湯【ケイシカリュウコツボレイトウ】 | 体力中等度以下 疲れやすい・興奮しやすいものの神経症・小児夜泣き・眼精疲労 |
【登録販売者試験】漢方覚え方~解熱鎮痛編~【第3章】
今回は、解熱鎮痛関連の漢方です。解熱鎮痛系の漢方はテストにも良く出る項目なのでキーワードを押さえておきましょう。
※呉茱萸湯を除くいずれも構成生薬としてカンゾウを含みます。
名称 | 効果 |
---|---|
芍薬甘草湯【シャクヤクカンゾウトウ】 | 体力に関わらず 筋肉の急激な痙攣・痛みのあるこむらがえり・腹痛・腰痛 まれに重篤な副作用・間質性肺炎・鬱血性心不全 心臓病の診断を受けた人は使用を避ける |
桂枝加朮附湯【ケイシカジュツブトウ】 | 体力虚弱 汗が出る・手足が冷えてこわばる・ときに尿量が少ないものの関節痛・神経痛 のぼせが強く赤ら顔で体力が充実している人には不向き |
薏苡仁湯【ヨクイニントウ】 | 体力中等度程度 関節や筋肉のはれや痛みがあるものの関節痛・筋肉痛・神経痛 |
麻杏薏甘湯【マキョウヨクカントウ】 | 体力中等度程度 関節痛・神経痛・いぼ・手足のあれ 体の虚弱な人・胃腸の弱い人・発汗傾向の著しい人は不向き 構成生薬としてマオウを含む |
疎経活血湯【ソケイカッケツトウ】 | 体力中等度程度 ときにしびれがあるものの関節痛・神経痛・筋肉痛 胃腸が弱く下痢しやすい人には不向き |
呉茱萸湯【ゴシュユトウ】 | 体力中等度以下 手足が冷えて肩がこる・頭痛・嘔吐・しゃっくり |
当帰四逆加呉茱萸生姜湯【トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ】 | 体力中等度以下 手足の冷え・下肢の冷えが強い・冷え性・腰痛・月経痛 胃腸の弱い人には不向き |
釣藤散【チョウトウサン】 | 体力中等度 慢性の頭痛・めまい・肩こり・高血圧 消化器系の副作用が現れやすい・胃腸虚弱で冷え性の人には不向き |
【登録販売者試験】漢方覚え方~風邪編~【第3章】
第3章では漢方が複数出てきます。似たような効果のものがあったりしてなかなか覚えるのに苦労しました。。
今回は風邪関連の漢方について、まとめました。
ポイントになるキーワードがあるので、それを見つけて覚えていくのがポイントです。
※半夏厚朴湯を除くいずれも構成生薬としてカンゾウを含みます。
葛根湯、麻黄湯は構成生薬としてマオウを含みます。
名称 | 効果 |
---|---|
葛根湯【カッコントウ】 | 体力中等度以上 感冒の初期・鼻かぜ・鼻炎・頭痛・肩こり・筋肉痛 虚弱な人・胃腸の弱い人・発汗傾向の著しい人には不向き まれに肝機能障害・偽アルドステロン症を生じる |
麻黄湯【マオウトウ】 | 体力充実 風邪のひき始め・寒気・発熱・頭痛・体のふしぶしが痛い 胃腸の弱い人・発汗傾向の著しい人には不向き |
小柴胡湯【ショウサイコトウ】 | 体力中等度 脇腹からみぞおちにかけて苦しい・食欲不振・口の苦み・風邪の後期 虚弱な人は不向き インターフェロン製剤で治療を受けている人は間質性肺炎の副作用のおそれ・その他肝機能障害 |
柴胡桂枝湯【サイコケイシトウ】 | 体力中等度またはやや虚弱 腹痛・微熱・寒気・頭痛・吐き気のある胃腸炎・風邪の中期~後期 間質性肺炎・肝機能障害の副作用のおそれ |
小青竜湯【ショウセイリュウトウ】 | 体力中等度または虚弱 薄い水様の痰・鼻水・気管支炎・鼻炎 虚弱な人は不向き・発汗傾向の著しい人には不向き 肝機能障害・間質性肺炎の副作用のおそれ |
桂枝湯【ケイシトウ】 | 体力虚弱 汗が出る風邪のひき始め |
香蘇散【コウソサン】 | 体力虚弱 神経過敏・風邪のひき始め・血の道症 |
半夏厚朴湯【ハンゲコウボクトウ】 | 体力中等度 気分がふさぐ・咽喉・食道に異物感・しわがれ声 |
麦門冬湯【バクモンドウトウ】 | 体力中等度以下 痰が切れにくい・咳きこみ・咽頭の乾燥感・気管支炎 水様痰の多い人は不向き 間質性肺炎・肝機能障害の副作用のおそれ |
【資格】登録販売者【第1章まとめ③~プラセボ効果・医薬品の品質・薬害の歴史~】
今回は、第1章の最後までのまとめです。薬害の歴史はテストに良く出る項目なので、違いをしっかり覚えておく必要があります。表にまとめたりして覚えるのが分かりやすいと思います。
プラセボ効果
プラセボ効果とは、結果的または偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをいう。偽薬効果ともいう。
プラセボ効果が生じる原因としては、楽観的な結果への暗示、時間経過による自然発生的な変化などが関与していると考えられている。
プラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、望ましい効果と不都合な副作用とがある。主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもあるが、それは不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではない。
医薬品の品質
医薬品は高い水準で品質が保証されていなければならないが、配合されている成分には品質の劣化を起こしやすいものが多く、適切な保管・陳列がなされなければ、医薬品の効き目が低下したり、人に好ましくない作用をもたらす物質を生じることがある。
医薬品の使用期限
医薬品は、適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。表示されている「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限である。
液剤などでは、いったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。
【POINT】テストでは、医薬品の使用期限は開封しても保証されるといったような引っ掛けも多い
薬害の歴史
サリドマイド訴訟
催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損や先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟。
1963年6月に製薬企業を被告として、さらに翌年12月には国および製薬企業を被告として提訴され、1974年10月に和解が成立した。
- サリドマイドは、催眠鎮静成分として承認されていたが、胃腸薬にも配合されていた。
- 副作用として血管新生を妨げる作用があり、血管新生が妨げられると細胞分裂が正常に行われず胎児に先天異常が発生した。
- 血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体のうち、一方の異性体(S体)のみが有する作用であり、もう一方の異性体(R体)にはなく、鎮静作用はR体のみが有するとされている。
- サリドマイド製剤は、西ドイツで販売が開始され、1961年11月サリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、製品が回収された。
- 日本では、同年12月に勧告が届いていたにも関わらず、出荷停止が行われず対応の遅さが問題視された。
スモン訴訟
整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟。Subacute Myelo-Optico-Neurpahyの頭文字をとってスモンと呼ばれている。
- スモンの症状は、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。
- 米国では1960年にアメーバ赤痢に使用が制限された。
- 日本では1970年8月になって、スモンの原因はキノホルムであるとの説が発表され、同年9月に販売が停止された。
- 1971年5月に国および製薬企業を被告としてを提訴。1979年9月に全面和解が成立した。
- サリドマイド訴訟、スモン訴訟を契機として、1979年、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。
HIV訴訟
血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟。
- 国および製薬企業を被告として1989年5月に大阪地裁、同年10月に東京地裁で提訴された。和解勧告を行い、1996年3月に両地裁で和解が成立した。
- 本訴訟の和解を踏まえ、エイズ治療研究開発センターおよび拠点病院の整備や治療薬の早期提供などの取り組みが推進されている。
- 改正薬事法の対応として、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための緊急輸入制度の創設等を内容とする改正薬事法が1996年に成立し、翌年4月に施行された。
CJD訴訟
脳外科手術用に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償訴訟。
- CJDは細菌でもウイルスでもないタンパク質の一種であるプリオンが原因とされている。
- プリオンが脳の組織に感染し、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。
- 国、輸入販売業者および製造業者を被告として、1996年11月に大津地裁、1997年9月に東京地裁で提訴された。
- 2002年3月に両地裁で和解が成立した。
- 本訴訟の和解に際して、国は生物由来製品の安全対策強化、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。
第1章終わり
第1章はここまでになります。各章を終えた後に、過去問や対策問題を解いて色々な問題パターンを確認しておきましょう。
下記はおすすめの問題集です。解説も分かりやすくシンプルな問題集なので、何度も解いて復習していました。
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【登録販売者試験】第1章まとめ②~薬の副作用・相互作用~
今回は、薬の副作用、相互作用についてのまとめです。小児、高齢者、妊婦それぞれの薬の相互作用のリスクを頭に入れておく必要があります。
副作用
医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、または身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
また副作用は、薬理作用による副作用、アレルギーの2つに分けられる。
薬理作用とは、薬物が生体の生理機能に影響と与えることをいう。
特に不都合を生じないものであれば、通常副作用として扱われることはないが、好ましくないものについては、一般に副作用とされる。
アレルギー
アレルギーを引き起こす原因は、一般的にあらゆる物質によって起こり得るものであるため、医薬品の薬理作用とは関係なく起こり得るもの。
医薬品の有効成分だけでなく基本的に薬理作用がない添加物もアレルギーを引き起こすアレルゲンとなり得る。
医薬品の相互作用
特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用という。
相互作用のリスクを減らす観点から、緩和を図りたい症状が明確な場合は、なるべくその症状に合った成分のみが配合された医薬品が選択されることが望ましいとされている。
食品との飲み合わせ
食品と医薬品の相互作用は、「飲み合わせ」と表現される。また酒類(アルコール)は、医薬品の吸収や代謝に影響を与えることがある。
アルコールをよく摂取する者はその代謝機能が高まっていることが多いとされる。
アセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなり、体内から医薬品が速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。
小児と医薬品
乳児・幼児・小児の年齢区分は下記に分けられる。
- 乳児 1歳未満
- 幼児 7歳未満
- 小児 15歳未満
小児は、身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が相対的に高くなる。また血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすい。そのため、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。
【POINT】年齢区分はテストに出ることが多いので覚えておくこと
高齢者と医薬品
高齢者の年齢定義は目安として、65歳以上としている。高齢者は生理機能が衰えつつあり、若年期と比べて副作用を生じるリスクが高くなる。食べ物を飲み込む力が弱まり、嚥下障害を起こしやすくなるので注意が必要。
妊婦と医薬品
妊婦は一般医薬品による対処が適当かどうかを含め慎重に考える必要がある。
医薬品と胎児への影響
胎児は母体との間に存在する胎盤を通じて栄養分を受け取っている。胎盤には、胎児の血液と母体の血液が混ざらない仕組み、血液ー胎盤関門がある。
血液ー胎盤関門によってどの程度医薬品の成分が胎児に移行されるのかは未解明のことが多い。
ビタミンA含有製剤のように、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると、胎児に先天異常を起こす危険性が高まるものがある。また便秘薬も配合成分や用量によって流産や早産を誘発するおそれがあるものもある。
母乳を与える女性も、医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、授乳中は医薬品の使用を避けるか、使用した場合は授乳を避けることとされている。
【登録販売者試験】第1章まとめ①~医薬品の有効性・安全性~
第1章は、比較的覚えやすく基本的な内容です。テキストなどを読めばある程度分かることも多い章ですが、少し覚えにくかった点などをまとめたいと思います。
医薬品の有効性・安全性
医薬品のリスク評価
医薬品を使って、健康被害が起こる可能性をリスクという。
医薬品の効果と、リスク評価は、薬物における用量ー反応関係に基づいて行われる。
この関係は、薬物量と薬物暴露時間の積で表す。
【POINT】テストでは積の部分が和など引っ掛けがあるので注意
薬物の投与量と効果、毒性の関係を表すと、相関性があり、用量が増えることにより、作用が強くなる。医薬品の量と効果は下記のように変化する。
- 無作用量(薬効の効果は現れない)
- 治療量(効果が表れる)
- 中毒量(効果よりも有害反応が強くなる)
- 致死量(死に至ることもある)
医薬品のリスク評価は下記のような実験方法がある。
・非臨床試験(動物実験)【GLP(Good Laboratory Practice)】
文字の通り、動物実験。テキストなどには試験方法などが色々と記載されていますが、そこはほぼテストに出ないため、GLP=動物実験だということを覚えておけばOKだと思います。覚え方としては、Laboratoryは研究所という意味なので、研究所で動物実験するというような感じで覚えました。
・臨床試験(治験)【GCP(Good Clinical Practice)】
こちらはヒトを対象として試験すること。キーワードはGCP。Clinicalが臨床という意味なので、ヒト=臨床ということでまだ覚えやすいですね。
製造販売後の調査・試験
医薬品は、市販後にも安全性の確認が行われている。医薬品は食品よりも厳しい安全性基準が要求されている。
・GPSP(Good Post-marketing Study Pracice)医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令
・GVP(Good Vigilance Pracice)医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の製造販売後安全管理の基準に関する省令
健康食品
健康食品は、健康増進や維持の助けとなる食品。
・特定保健用食品(トクホ) 特定の保険機能の表示ができる。
※キシリトールのガムなどに、虫歯になりにくいなどと書かれている表示
・栄養機能食品 各種ビタミン、ミネラルに対して栄養機能の表示ができる。
・機能性表示食品 疾病に罹患していない者の健康の維持および増進に役立つ旨または 適する旨(疾病リスクの低減に係るものを除く)を表示するもの。
健康食品の問題では、「軽度な身体の不調は自分で手当する」セルフメディケーションというキーワードも出てきますので覚えておきましょう。